ソイプロテインアイソレート(SPI)とは?
通常ソイとの違い
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ソイプロテインの商品を比較していると、「ソイプロテインアイソレート(SPI)」という表記を見かけることがあります。通常のソイプロテインと何が違うのでしょうか?
この記事では、SPI(分離大豆タンパク)とSPC(濃縮大豆タンパク)の違いを製法・タンパク質含有率・味・価格の4つの軸で比較し、どちらを選ぶべきかの判断基準を解説します。
※ソイプロテイン全般のメリット・デメリットはソイプロテインのメリット・デメリットをご覧ください。 プロテインの種類全体は種類別ガイドで解説しています。
分離
濃縮
2つのソイプロテインの分類
SPI と SPC — 2つのソイプロテインの基本
ソイプロテインは大豆を原料としたタンパク質製品ですが、製法の違いによって大きく2種類に分けられます。
SPI(Soy Protein Isolate)
分離大豆タンパク。大豆から脂質・糖質・食物繊維を高度に除去し、タンパク質を85〜90%まで濃縮したもの。
SPC(Soy Protein Concentrate)
濃縮大豆タンパク。大豆から脂質を主に除去し、タンパク質含有率65〜70%程度のもの。食物繊維が残る。
市販のソイプロテイン製品の多くは、実はSPI(分離大豆タンパク)を使用しています。原材料欄に「分離大豆たんぱく」と記載されていれば、それはSPIベースの製品です。「濃縮大豆たんぱく」と記載されていればSPCベースです。
ホエイプロテインにWPC(コンセントレート)とWPI(アイソレート)があるように、ソイプロテインにもSPCとSPIがあるという構造です。詳しい比較はWPCとWPIの違いの記事も参考になります。
大豆からSPI/SPCへの製造工程
製法の違い — なぜタンパク質含有率が変わるのか
SPC の製法: 脱脂大豆からの濃縮
SPCは、大豆を圧搾または溶剤で脱脂した「脱脂大豆」から作られます。脱脂大豆をエタノールや酸性水溶液で洗浄し、水溶性の糖質やミネラルの一部を除去します。この工程でタンパク質含有率は65〜70%程度まで高まりますが、食物繊維やイソフラボンの一部は残ります。
SPI の製法: さらなる精製で90%へ
SPIは、脱脂大豆をアルカリ性水溶液に溶かし、タンパク質を抽出した後、酸で沈殿させて回収するという工程を経ます。この精製プロセスにより、糖質・食物繊維・脂質がさらに除去され、タンパク質含有率は85〜90%に達します。
この追加の精製工程があるぶん、SPIはSPCよりも製造コストが高くなります。一方で、大豆特有の風味(いわゆる「大豆臭」)や渋みが軽減される傾向があり、飲みやすさの面ではSPIに軍配が上がることが多いです。
ホエイとの対比
ホエイプロテインでは、WPC(コンセントレート)が膜処理による濃縮、WPI(アイソレート)がイオン交換やCFMによる精製で乳糖を除去します。ソイにおけるSPC → SPIの関係性と同じ構造です。
SPI vs SPC 成分比較
成分比較 — タンパク質・脂質・糖質・イソフラボン
SPIとSPCの主な成分の違いを一覧にまとめました。数値は原料としての一般的な傾向であり、市販製品では配合や加工により異なります。
| 比較項目 | SPI(アイソレート) | SPC(コンセントレート) |
|---|---|---|
| タンパク質含有率 | 85〜90% | 65〜70% |
| 脂質 | 少ない(1%未満) | やや多い(3〜5%) |
| 糖質 | 少ない | やや多い |
| 食物繊維 | ほぼなし | 含まれる |
| イソフラボン | 少ない傾向 | 多い傾向 |
| 大豆臭 | 少ない | 感じやすい |
| 溶けやすさ | 溶けやすい | やや溶けにくい |
| 価格帯(1kg) | 2,500〜4,000円 | 1,800〜3,000円 |
イソフラボンの含有量について
大豆イソフラボンはSPCの方がSPIよりも多く残る傾向があります。SPIは精製過程でイソフラボンの一部が除去されるためです。ただし、イソフラボンの含有量は製品ごとに大きく異なり、すべてのSPCがSPIよりイソフラボンが多いとは限りません。
イソフラボンの1日あたりの摂取目安量の上限は70〜75mg(食品安全委員会の見解)とされています。プロテイン以外にも豆腐・味噌・納豆などの食品からイソフラボンを摂取している場合は、合計量を意識することが大切です。
飲みやすさ
飲みやすさ
飲みやすさの傾向比較
味と溶けやすさの違い
SPI は大豆臭が少なく飲みやすい
SPIは精製度が高いため、大豆特有の青臭さや渋みが軽減されています。特にフレーバー付き(チョコ・バニラなど)の製品であれば、大豆臭はほとんど気にならないものが多いです。「ソイプロテインは大豆臭くて飲みにくい」という印象を持っている方は、SPIベースの製品を試してみる価値があります。
溶けやすさの違い
SPIはSPCに比べて水に溶けやすい傾向があります。これは精製により不溶性の食物繊維が除去されているためです。シェイカーで振ったときのダマの残りやすさにも影響します。ただし、乳化剤(レシチン)の配合によっても溶けやすさは変わるため、SPIなら必ず溶けやすい、というわけではありません。
プロテインログのユーザー評価から見る傾向
プロテインログに登録されているソイプロテイン製品のユーザー評価を見ると、SPIベースの製品は「飲みやすさ」スコアが比較的高い傾向にあります。一方で、SPCベースの製品は「大豆の風味が好き」という方からの評価もあり、好みによって評価が分かれます。
具体的な製品ごとのレビューはソイアイソレート一覧やソイプロテイン一覧から確認できます。
1kgあたり価格帯の目安
価格帯の比較
SPI はやや高価格だが差は縮まっている
SPIはSPCに比べて製造工程が多いぶん、価格は高めになります。ただし、近年はソイプロテイン市場の拡大により、SPIの価格も下がってきています。1kgあたりで見ると、SPIは2,500〜4,000円、SPCは1,800〜3,000円が目安です(2026年4月時点、プロテインログ調べ)。
タンパク質1gあたりの価格で比較する
1kgあたりの価格だけでなく、タンパク質1gあたりの価格で比較することも重要です。SPIはタンパク質含有率が85〜90%、SPCは65〜70%です。たとえばSPIが1kg 3,000円でタンパク質含有率90%なら、タンパク質1gあたり約3.3円。SPCが1kg 2,000円で含有率70%なら、タンパク質1gあたり約2.9円。差は意外と小さくなることがあります。
注目製品: Myprotein ソイプロテインアイソレート
SPIの代表的な製品として、Myprotein ソイプロテインアイソレートがあります。Myproteinはセール時に大幅な割引が入ることが多く、タイミングによってはSPCに匹敵するコスパで購入できることもあります。詳しくはMyproteinレビュー記事もご覧ください。
目的を確認して選ぶ
どちらを選ぶべきか — 目的別の判断基準
SPIとSPCのどちらを選ぶかは、あなたが何を優先するかで決まります。以下の基準を参考にしてください。
タンパク質含有率を重視する → SPI
少ない量で多くのタンパク質を摂りたい方、カロリーを抑えたい方にはSPIが適しています。1食あたりのタンパク質量が多いため、効率的にタンパク質を補えます。
コスパを重視する → SPC
価格を抑えたい方にはSPCが選択肢になります。食物繊維が残っているぶん腹持ちが良いという声もあります。
大豆臭が苦手 → SPI
大豆の風味が苦手な方はSPIの方が飲みやすいと感じやすいです。特にフレーバー付きのSPI製品なら大豆臭はほぼ気になりません。
イソフラボンも摂りたい → SPC
大豆イソフラボンを意識して摂りたい方にはSPCの方がイソフラボン含有量が多い傾向にあります。ただし、摂取上限には注意しましょう。
迷ったらSPIから始めるのが無難
市販のソイプロテインの大半はSPIベースです。特にこだわりがなければ、まずはSPIベースの製品から試して、味やコスパに不満があれば他の選択肢を検討する、という進め方が合理的です。
まとめ
ソイプロテインアイソレート(SPI)は、大豆から高度に精製されたタンパク質原料です。通常のソイプロテイン(SPC)と比べて、タンパク質含有率が高く、大豆臭が少なく、溶けやすいという特徴があります。一方で価格はやや高めです。
- →ソイプロテイン全体のメリット・デメリット: ソイプロテインのメリット・デメリット
- →ホエイとの比較: WPCとWPIの違いを徹底比較
- →ソイアイソレート製品を見る: ソイアイソレート一覧
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