スキムミルクプロテイン(脱脂粉乳)とは?
|ホエイとの違い・デメリットを比較
公開 / 更新
この記事の結論
- スキムミルクプロテインとは
- 牛乳から脂肪を取り除いた脱脂粉乳を主原料にしたプロテイン。たんぱく質はカゼイン約80%+ホエイ約20%の天然ブレンドで、含有率は約34%。
- ホエイとの違い
- ホエイは含有率約70〜80%で吸収が速い。スキムミルクプロテインは含有率が約半分でゆっくり吸収され、乳糖とカルシウムを多く含む。
- 最大のデメリット
- 同じたんぱく質量を摂るのに約2倍の粉が必要。乳糖が多く、乳糖不耐症の人はお腹がゆるくなりやすい。糖質も多い。
- 価格
- 1kgあたり約1,500円〜(ホエイは約3,000〜4,000円)。ただし必要量が約2倍なので、たんぱく質1gあたりで見ると差は縮まる。
2026年に入り、「スキムミルク(脱脂粉乳)」を原料にしたプロテインが各メーカーから続々と登場しています。 ホエイプロテインの半額以下という価格が注目を集めていますが、ホエイの代わりに使えるのか?実際のところが気になる方も多いはずです。
この記事では、スキムミルクプロテインとホエイプロテインの成分・吸収速度・価格・向き不向きを徹底比較します。 エクスプロージョンのSMPや全農×ザプロのスープPROTEINなど、2026年注目の商品も紹介します。
脱脂粉乳プロテインの特徴
スキムミルクプロテイン(脱脂粉乳プロテイン)とは?
牛乳から脂肪だけを取り除いた粉末
スキムミルクプロテインとは、牛乳から脂肪分を除いた「脱脂粉乳(スキムミルク)」を主原料にしたプロテインです。 「脱脂粉乳プロテイン」「スキムプロテイン」と呼ばれることもありますが、いずれも同じものを指します。 脱脂粉乳はもともとお菓子や料理にも使われる食品で、たんぱく質・炭水化物(乳糖)・カルシウムなどが含まれています。
たんぱく質の構成はカゼイン+ホエイの天然ブレンド
牛乳中のたんぱく質は、カゼイン約80%・ホエイ約20%の比率で含まれています。 脱脂粉乳プロテインはこの天然の比率をそのまま活かしたプロテインです。 ホエイプロテインが「チーズ製造時に分離するホエイだけを濃縮したもの」であるのに対し、脱脂粉乳プロテインは牛乳のたんぱく質全体を活用しています。
2026年に相次いで登場した新カテゴリ
これまでも脱脂粉乳を原料にした製品は存在しましたが、2026年に入ってエクスプロージョン、全農×ザプロ、ビーレジェンドなど複数のメーカーが相次いで商品化・発表し、 一気に注目を集めるカテゴリになりました。背景については「なぜ今、注目されているのか?」で詳しく解説します。
脱脂粉乳の栄養成分(100gあたり)
栄養成分とコスパを数字で見る
「スキムミルクプロテイン」「SMPプロテイン」「スキムプロテイン」は、いずれも脱脂粉乳(Skim Milk Powder=SMP)を主原料にしたプロテインを指す呼び方です。 ここでは原料である脱脂粉乳そのものの栄養成分と、たんぱく質1gあたりの価格を数字で確認します。
脱脂粉乳100gあたりの栄養成分(食品成分表の公的データ)
| 項目 | 脱脂粉乳100g | 1食60g換算 | 普通牛乳100g |
|---|---|---|---|
| エネルギー | 354kcal | 約212kcal | 61kcal |
| たんぱく質 | 34.0g | 約20.4g | 3.3g |
| 脂質 | 1.0g | 約0.6g | 3.8g |
| 炭水化物(主に乳糖) | 53.3g | 約32.0g | 4.8g |
| カルシウム | 1,100mg | 約660mg | 110mg |
出典: 文部科学省 食品成分データベース「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」脱脂粉乳・普通牛乳。1食60g換算は計算値。
このほか脱脂粉乳100gにはカリウム1,800mg・ビタミンB2 1.60mg・食塩相当量1.4gが含まれます。 脂質が1.0gしかない一方で、炭水化物(乳糖)が53.3gと半分以上を占めるのが最大の特徴です。 実際の市販品(エクスプロージョンSMPプレーンは1食60gで214kcal・たんぱく質21.1g)も、 ほぼこの成分表どおりの数字になっています。
牛乳に置き換えるとどれくらい?
脱脂粉乳20gで、たんぱく質約6.8g・カルシウム約220mg。これは牛乳コップ1杯(約200ml)とほぼ同じ量です。 つまりプロテインとして1食60gを飲むと、たんぱく質とカルシウムは牛乳約600ml分に相当します。 同時に乳糖も約32g摂ることになる点は後述の「お腹がゆるくなる理由」で詳しく解説します。
たんぱく質1gあたりの価格で比べると?
「1kgあたりの粉の値段」ではなく、実際に摂れるたんぱく質1gあたりいくらかで計算すると印象が変わります。
| 商品 | 種類 | 1kg価格 | 含有率 | 1kg中のP | P 1gあたり |
|---|---|---|---|---|---|
| X-PLOSION SMP | 脱脂粉乳 | ¥1,633 | 約35% | 約352g | ¥4.6 |
| X-PLOSION WPC | ホエイ | ¥2,993 | 約75% | 約753g | ¥4.0 |
| ビーレジェンド ソイ | ソイ | ¥3,867 | 約74% | 約740g | ¥5.2 |
| マイプロテイン Impact | ホエイ | ¥5,090 | 約84% | 約840g | ¥6.1 |
※「P」はたんぱく質。1kg中のたんぱく質=1食あたりたんぱく質量 ÷ 1食g数 × 1,000 で算出した計算値。価格は2026年5月時点の掲載価格。
意外な結論: たんぱく質単価では「最安」ではない
脱脂粉乳プロテインは粉1kgの値段こそホエイの約半額ですが、含有率が約半分のため、 たんぱく質1gあたりで見ると大容量の格安ホエイWPC(約¥4.0/g)の方が安くなります。 脱脂粉乳プロテインを選ぶ理由は「たんぱく質を最安で買うこと」ではなく、脂質がほぼゼロで、カルシウムや糖質も同時に摂れることにあると考えるのが正確です。 きな粉や豆乳など食品でプロテインを代用した場合のコストは「プロテインの代わりになるもの9種を比較」でまとめて計算しています。
ソイプロテインとの違い
ソイプロテインは大豆由来で、たんぱく質含有率は約74%と脱脂粉乳の2倍以上あります。 乳成分を含まないため乳糖が気になる方でも選びやすい一方、カルシウムは脱脂粉乳ほど多くありません。「乳糖を避けたいならソイ、脂質を抑えつつ牛乳の栄養をまとめて摂りたいなら脱脂粉乳」という整理が現実的です。3種類の違いは「おすすめ商品」の横断比較表でも確認できます。
脱脂粉乳 vs ホエイ 成分比較
ホエイプロテインとの違い
どちらも牛乳を原料にしていますが、製造方法・成分・価格に大きな違いがあります。
| 項目 | 脱脂粉乳プロテイン | ホエイ(WPC) |
|---|---|---|
| 原料 | 脱脂粉乳(牛乳から脂肪を除去) | チーズ製造時の副産物 |
| たんぱく質含有率 | 約34%(製品による) | 約70〜80% |
| たんぱく質の構成 | カゼイン80%+ホエイ20% | ホエイ100% |
| 吸収速度 | ゆっくり(カゼイン主体) | 速い |
| 炭水化物 | 多い(乳糖を含む) | 少ない |
| カルシウム | 豊富(天然含有) | 中程度 |
| 1kgあたり価格の目安 | 約1,500円〜 | 約3,000〜4,000円 |
たんぱく質含有率の差に注意
脱脂粉乳プロテインはたんぱく質含有率が約34%と、ホエイ(約70〜80%)の半分以下です。 同量のたんぱく質を摂るには、約2倍の量を飲む必要があります。価格が安い分、1食あたりのコストは計算してみることをおすすめします。
メリットとデメリット
メリット・デメリット
メリット
ホエイの半額以下の価格でコスパ最強
1kgあたり約1,500円〜と、ホエイWPC(約3,000〜4,000円)の半分以下で購入できます。 たんぱく質1gあたりのコストで比較しても、同等以下になることが多く、節約しながらたんぱく質を増やしたい方に最適です。
カルシウム・ビタミンB群が天然の比率で含まれる
脱脂粉乳には牛乳由来のカルシウムやビタミンB群が豊富に含まれています。 プロテインでたんぱく質を補いながら、骨の健康にも役立てたい方にもメリットがあります。
カゼイン+ホエイの自然配合で長時間アミノ酸を供給
カゼインはゆっくり吸収されるため、食後から数時間にわたってアミノ酸が血中に供給され続けます。 就寝前や間食として飲むと、長時間の筋肉分解を抑えやすくなります。
デメリット
たんぱく質含有率がホエイの約半分
同量のたんぱく質を摂るには、ホエイより多くの粉を使う必要があります。 1回に飲む量が増えると、炭水化物(乳糖)の摂取量も増える点に注意しましょう。
炭水化物(乳糖)が多い
糖質制限中の方は1食あたりの炭水化物量を確認してから使いましょう。 乳糖の含有量はホエイWPCより多めです。
飲む量が増えるとお腹に来ることがある
1杯に含まれる乳糖は約32gと、ホエイプロテイン(約1.5〜2.4g)の10倍以上あります。 乳糖不耐症の方はもちろん、これまでプロテインで問題がなかった方でも、量が増えると影響が出ることがあります。 詳しくは「お腹がゆるくなる理由と量の調整法」で解説します。
トレーニング直後の素早い補給には不向き
カゼイン主体のため吸収が遅く、筋トレ直後の「素早くアミノ酸を届けたい」タイミングには適しません。 運動直後はホエイ、就寝前・間食は脱脂粉乳と使い分けるのが現実的です。
1杯あたりの乳糖量の比較
お腹がゆるくなる・おならが増える理由と量の調整法
脱脂粉乳プロテインで最も多く語られるデメリットが、お腹がゆるくなる・おならが増えるというものです。 ただしこれは「乳糖不耐症の人だけの話」ではありません。これまでプロテインでお腹を壊したことがない人でも、飲む量によっては起こりえます。理由は単純で、脱脂粉乳プロテインは1杯に入っている乳糖の量がホエイとは桁違いに多いからです。
運営者の体験ホエイでは平気だったのに、2杯目でおならが止まらなくなった
プロテインログの運営者は、これまで乳糖でお腹を壊した経験がなく、ホエイ(WPC)なら1日に何杯飲んでも問題ありませんでした。 ところが脱脂粉乳プロテインに切り替えたところ、1日2杯以上飲んだ日におならが止まらなくなり、お腹もくだしました。
その後はいつものホエイに脱脂粉乳を半杯だけ混ぜる使い方に変えたところ、 特に変化を感じなくなり、そのまま少しずつ消費しています。 同じ製品でも、1回に飲む量を変えただけで印象がまったく変わりました。
※ これは個人の体験であり、感じ方には体質や体調による差があります。 同じ量を飲んでもまったく問題のない方も多くいます。
なぜホエイでは平気で、脱脂粉乳だと起きるのか
答えは体質ではなく、1回に入ってくる乳糖の量です。 ホエイプロテイン(WPC)に含まれる乳糖は1杯あたり約1.5〜2.4g。 一方、脱脂粉乳プロテインは1杯で約32g。実にWPCの13〜21杯分にあたります。
| 種類 | 1杯の目安 | 1杯の乳糖 | 2杯だと |
|---|---|---|---|
| 脱脂粉乳(SMP) | 60g | 約32g | 約64g |
| ホエイ WPC | 30g | 約1.5〜2.4g | 約3〜4.8g |
| ホエイ WPI | 30g | 0.15g以下 | 0.3g以下 |
| ソイ / ピー | 30g | 0g | 0g |
※ 乳糖量は原料の一般的な含有率からの計算値で、製品により差があります。脱脂粉乳の炭水化物量は日本食品標準成分表2020年版(八訂)に基づきます。
「ホエイで平気」は「乳糖に強い」の証明にはならない
ここが見落とされやすいポイントです。ホエイWPCを5杯飲んでも、乳糖はまだ約7.5〜12g。 牛乳コップ1杯分をやや超える程度にしかなりません。 つまりホエイを飲んできた人の多くは、そもそも乳糖を大量に摂る場面を経験していないのです。 脱脂粉乳プロテインは、その人にとって初めて一度に大量の乳糖を摂る場面になる可能性があります。
1杯・2杯で、牛乳どれくらいに相当するのか
| 飲む量 | 乳糖量 | 牛乳に換算すると |
|---|---|---|
| 脱脂粉乳プロテイン 1杯(60g) | 約32g | 牛乳 約650ml(コップ3杯) |
| 脱脂粉乳プロテイン 2杯(120g) | 約64g | 牛乳 約1.3L(コップ6杯) |
| ホエイWPC 1杯(30g) | 約1.5〜2.4g | 牛乳 約30〜50ml |
| ホエイWPC 5杯(150g) | 約7.5〜12g | 牛乳 約150〜240ml(コップ1杯強) |
2杯飲むと、牛乳を約1.3L(コップ6杯)一度に飲むのと同じだけの乳糖が入ってきます。 牛乳をコップ6杯続けて飲む人はまずいませんが、プロテインだと粉なので量の感覚がつかみにくく、 気づかないうちにその状態になりがちです。
どのくらいの量から起きやすいのか
欧州食品安全機関(EFSA)が2010年にまとめた科学的意見では、乳糖の消化が苦手な人の大多数は1回12gまでなら症状が出ないか軽いとされる一方、6g程度で反応する人もいるため、全員に共通する境目は決められないと結論づけられています。 また同じ量でも1日に分けて摂れば許容されやすくなるとも述べられています。
消化されずに残った乳糖は大腸まで届き、そこで腸内細菌に発酵されてガスになります。おならが増えるのはこの仕組みによるもので、 乳糖の検査に使われる「水素呼気試験」も、この発酵で発生する水素を測ることで判定しています。
数字を並べると見えてくること
脱脂粉乳プロテイン1杯の乳糖は約32g、2杯なら約64g。 上記の「12g」という目安と比べると、1杯で約2.7倍、2杯で約5倍の量になります。 なお、この12gという数字は乳糖の消化が苦手な人を対象にしたもので、 そうでない人が何gから影響を感じるかについては、信頼できる公的な目安は示されていません。 ただ、量が増えるほど出やすくなること自体はEFSAも明確に述べています。
出典: EFSA Panel on Dietetic Products, Nutrition and Allergies. “Scientific Opinion on lactose thresholds in lactose intolerance and galactosaemia.” EFSA Journal 2010;8(9):1777
量を抑える4つの方法
まず少量から試す
いきなり1食分(60g)ではなく、1/3程度の20g前後から。合うかどうかを少ない負担で確認できます。
1日1杯までにしておく
1杯で乳糖は約32g。2杯にすると約64gと一気に倍になります。まずは1日1杯を上限にしてみてください。
ホエイに半分だけ混ぜて薄める
普段のホエイプロテインに脱脂粉乳を半杯だけ足す使い方なら、1回に入る乳糖を大きく抑えられます。大容量を買っても無駄になりません。
1回で飲まず、時間を空けて分ける
EFSAの科学的意見でも、同じ量でも1日に分けて摂れば許容されやすくなるとされています。朝と夜に分けるだけでも1回あたりは半分です。
あわせて、空腹時を避けて食事と一緒か食後に飲むのも量の負担を分散する方法のひとつです。
もともと乳糖が弱い人は選ばないほうがいい
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする自覚がある方、ホエイWPCの時点で不調を感じたことがある方には、脱脂粉乳プロテインはおすすめできません。 量を減らせば飲めることもありますが、1杯あたりの乳糖が多いため調整の幅が小さく、 続けるうえでのストレスが大きくなります。 その場合は乳糖をほとんど含まないタイプを選ぶほうが確実です。
乳糖を避けたい方向けの選び方
乳糖を0.5%以下まで取り除いたWPI、そもそも乳糖を含まないソイ・ピーが選択肢になります。 乳糖量・味・1kgあたり価格の比較はプロテインでお腹がゴロゴロするときの対処法(WPI・ソイ・ピー比較)に、WPCとWPIの違いはこちらにまとめています。
※ お腹の不調が続く場合や、乳製品全般で強い症状が出る場合は、自己判断せず医師にご相談ください。
食品用スキムミルクとプロテイン製品
市販のスキムミルクはプロテインの代わりになる?
スーパーで売っている食品用のスキムミルク(脱脂粉乳)と、プロテインとして売られているスキムミルクプロテインは、原料そのものは同じ脱脂粉乳です。そのため「安い食品用のスキムミルクで代用できるのでは?」という疑問が生まれます。 結論から言うと代用は可能ですが、条件があります。
| 項目 | 食品用スキムミルク | スキムミルクプロテイン |
|---|---|---|
| 売り場 | スーパーの製菓・乳製品売り場 | サプリメント通販・メーカー公式 |
| 内容量 | 175〜300gの小袋が中心 | 1〜3kgの大容量 |
| たんぱく質 | 100gあたり約34g | 100gあたり約34〜35g |
| 味 | 無糖・ミルク風味のみ | プレーン+フレーバー展開 |
| 溶けやすさ | 製品により差が大きい | シェイカーで溶かす前提の設計 |
| 1kgあたりの割高感 | 小容量のため割高になりやすい | 大容量のため安くなりやすい |
代用するときに必要な量
どちらもたんぱく質含有率は約34%です。ホエイプロテイン1食分(たんぱく質20g前後)と同じ量を摂ろうとすると、脱脂粉乳では約60gの粉が必要になります。ホエイなら25〜30gで済むので、およそ2倍です。 小袋(175〜300g)のスキムミルクだと3〜5食分でなくなる計算になるため、 毎日続けるなら大容量のプロテイン製品を選んだ方が現実的です。
代用でも乳糖の量は変わらない
食品用スキムミルクもプロテイン製品も原料は同じ脱脂粉乳なので、1食60gで乳糖が約32g入る点はまったく同じです。 「安いから食品用で」と量を増やすと、お腹への負担も同じだけ増えます。 詳しくは「お腹がゆるくなる理由と量の調整法」を参照してください。
スキムミルク(脱脂粉乳)そのもののデメリット
プロテインとしてまとめて飲む場合、食品として少量使うときには問題にならない点が気になってきます。
ナトリウム(食塩相当量)も一緒に増える
脱脂粉乳の食塩相当量は100gあたり1.4g。1食60gなら約0.84gになります。 1日に何食も飲む場合は、食事全体の塩分と合わせて確認しておくと安心です。
脂溶性ビタミンは牛乳より少ない
脂肪分を取り除いて作るため、脂に溶けるビタミン(ビタミンAなど)は牛乳より少なくなります。 脂質がほぼゼロという長所の裏返しなので、食事全体でバランスを取る前提で使いましょう。
カロリーはゼロではない
「低脂肪=低カロリー」と思われがちですが、脱脂粉乳は100gで354kcal、1食60gで約212kcalです。 ホエイ1食(約110〜125kcal)のおよそ2倍なので、摂取カロリーを管理している方は計算に入れてください。
結局どっちを買えばいい?
料理やコーヒーに少し混ぜる程度ならスーパーの食品用スキムミルクで十分です。 一方、毎日1食分をプロテインとして飲むなら、大容量で味付きのスキムミルクプロテイン製品の方が 量・価格・飲みやすさの面で続けやすくなります。
向いている人・向いていない人
どんな人に向いている?
脱脂粉乳プロテインが向いている人
- ✓プロテイン代を節約したい人
- ✓「筋トレガチ勢」ではなく健康目的でたんぱく質を増やしたい人
- ✓カルシウムも一緒に摂りたい人(特に女性やシニア層)
- ✓就寝前や間食代わりにゆっくり吸収させたい人
- ✓乳糖に問題がなく、1回に飲む量を調整できる人
向いていない人
- ✗筋トレ直後に素早くたんぱく質を補給したい人→ ホエイが適しています
- ✗乳糖不耐症の人・牛乳でお腹がゴロゴロする人→ WPIやソイプロテインが適しています
- ✗糖質制限中で炭水化物を抑えたい人→ WPIを検討してください
使い分けのヒント
「運動直後はホエイ、就寝前や間食は脱脂粉乳」という使い分けが最もコスパと効果のバランスが良い方法です。 ホエイを完全に置き換えるというより、目的別に使い分ける選択肢の一つとして捉えるのがポイントです。
吸収のイメージ(カゼイン主体)
筋トレに使える?飲むタイミングと吸収時間
吸収にかかる時間の目安
脱脂粉乳のたんぱく質はカゼインが約80%を占めます。 ホエイとカゼインを飲み比べた研究では、ホエイは飲んだ直後に血中のアミノ酸が急上昇して数時間で戻るのに対し、カゼインは上がり方がゆるやかで、その状態が長く続いたことが報告されています (観察はおよそ7時間にわたって行われました)。 「何分で吸収される」と一点で言い切れるものではありませんが、ホエイが数十分〜数時間、脱脂粉乳はそれより長い時間をかけて供給されると捉えると実態に近くなります。
出典: Boirie Y. et al. “Slow and fast dietary proteins differently modulate postprandial protein accretion.” PNAS 94:14930-14935 (1997)
タイミング別の向き・不向き
| タイミング | 相性 | 理由 |
|---|---|---|
| トレーニング直後(30〜60分) | △ | 吸収がゆるやか。素早く届けたいならホエイが適する |
| 朝食・朝食代わり | ◎ | 脂質がほぼゼロで、糖質とたんぱく質を同時に摂れる |
| 間食・食事の間 | ◎ | 次の食事まで時間が空くときの補給に |
| 就寝前 | ◎ | カゼイン主体でアミノ酸がゆるやかに供給される |
| 糖質を厳しく制限している時期 | △ | 1食で炭水化物が約32g加わる |
筋トレをしている人が使う場合の考え方
「トレーニング直後に不向き」=「筋トレに使えない」ではありません。 1日に必要なたんぱく質を確保することが土台になるため、脱脂粉乳プロテインは朝食・間食・就寝前といった“食事の隙間”を埋める役割で使うのが噛み合います。 トレーニング直後だけホエイを使い、それ以外を脱脂粉乳にすれば、 ホエイの消費量を抑えながら1日のたんぱく質量を積み上げられます。
減量中に使うときの注意
1食60gで約212kcal・炭水化物約32gが加わります。ホエイ1食(約110〜125kcal・炭水化物約2g)と比べると差が大きいため、 摂取カロリーや糖質を管理している時期は、飲む量や回数を食事全体の中で調整してください。
2026年注目の脱脂粉乳プロテイン
おすすめ商品
2026年現在、脱脂粉乳プロテインとして注目されている商品を紹介します。 各商品の栄養成分はプロテインログのデータベースに登録されている実データです。
エクスプロージョン「スキムミルクプロテイン SMP 100%SKIMMILK」

プレーン

塩キャラメル

アーモンドミルク
出典: エクスプロージョン公式ストア
- 発売日
- 2026年5月1日
- 価格
- 3kg 4,899円(税込)
- 1kgあたり
- 約1,633円
- 原料
- 脱脂粉乳100%
フレーバー別 栄養成分(1食60gあたり)
| フレーバー | カロリー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 |
|---|---|---|---|---|
| プレーン | 214kcal | 21.1g | 0.4g | 31.5g |
| アーモンドミルク | 214kcal | 20.5g | 0.4g | 32.0g |
| 塩キャラメルホワイトチョコ | 215kcal | 20.5g | 0.5g | 32.0g |
同社ホエイWPC(1kgあたり約2,993円)と比較して約45%安い価格を実現。 脱脂粉乳100%のシンプルな原料構成で、コスパ重視の方にとって最有力候補です。
注目ポイント: 脂質が0.4〜0.5gと極めて低い一方、炭水化物(乳糖)が約32gと多め。 たんぱく質含有率は約35%(60g中21g)で、ホエイWPC(約75%)のおよそ半分です。
他のフレーバー: アーモンドミルク味 / 塩キャラメルホワイトチョコ味
全農×ザプロ「スープPROTEIN」
- 価格
- 600g(20食分)3,380円
- 1食あたりタンパク質
- 約15g
- フレーバー
- コーンスープ / オニオンポタージュ / おしるこ
北海道産脱脂粉乳をベースにしたスープ型プロテイン。お湯に溶かして温かい状態で飲む、これまでにないタイプです。 「プロテインを飲む」という概念を変える製品として話題になっています。 JA全農と共同開発しており、国産原料へのこだわりも特徴です。
マイプロテイン「Essential ホエイ プロテイン」
要確認
出典: マイプロテイン公式サイト
- 価格
- 1kg 3,990円
- 主原料
- ホエイ+脱脂粉乳(配合量は製品による)
栄養成分(1食25gあたり)
カロリー
110kcal
たんぱく質
18g
脂質
4.3g
炭水化物
0g
購入前に原材料表示の確認を推奨
海外版(UK)の同名製品には原材料として脱脂粉乳(Skimmed Milk Powder)が約19%配合されていることが原材料表示で確認されています。 ただし日本版については公式サイト上で同等の表示を確認できていないため、購入の際はパッケージ裏の原材料表示で必ず確認することをおすすめします。 脱脂粉乳を配合している模様ですが、断定はできない状況です。
ビーレジェンド「NON FAT MILK PROTEIN」
発売予定国内大手プロテインブランドのビーレジェンドも、国産脱脂粉乳を主原料とした「第三のプロテイン」を開発中です。 2026年3月のイベントで試作品を公開し、注目を集めています。
発売までは ビーレジェンドの既存プロテイン一覧 をチェックできます。
種類別に栄養成分を比較する
脱脂粉乳プロテインは、ホエイやソイと何がどう違うのか? プロテインログに登録されている実際の商品データで比較します。
| 商品 | 種類 | 1食 | カロリー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 1kgあたり |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| X-PLOSION SMP プレーン | 脱脂粉乳 | 60g | 214kcal | 21.1g | 0.4g | 31.5g | ¥1,633 |
| X-PLOSION WPC プレーン | ホエイ | 30g | 123kcal | 22.6g | 2.6g | 2.3g | ¥2,993 |
| マイプロテイン Impact ホエイ | ホエイ | 25g | 111kcal | 21g | 2g | 2.1g | ¥5,090 |
| マイプロテイン Essential ホエイ | ブレンド | 25g | 110kcal | 18g | 4.3g | 0g | ¥3,990 |
| ビーレジェンド ソイ WEIGHT DOWN | ソイ | 30g | 114kcal | 22.2g | 1.2g | 4.1g | ¥3,867 |
この表の読み方
1食あたりの量(g)が商品ごとに違う点に注意してください。 脱脂粉乳プロテイン(SMP)は1食60gで約21gのたんぱく質。 ホエイは1食25〜30gで約21〜22gのたんぱく質です。 つまり、同じたんぱく質量を摂るのに脱脂粉乳は約2倍の粉が必要です。
コスパの結論
「粉1kgの値段」ならホエイの半額以下(¥1,633 vs ¥2,993〜¥5,090)ですが、 たんぱく質含有率が約半分のため、「たんぱく質1gあたりの価格」で比べると格安ホエイWPCの方が安くなります(SMP 約¥4.6/g に対し X-PLOSION WPC 約¥4.0/g)。
そのため脱脂粉乳プロテインの価値は「たんぱく質を最安で買うこと」ではなく、脂質がほぼゼロで、カルシウムや糖質も一緒に摂れる点にあります。 たんぱく質だけを安く確保したいなら大容量のホエイWPCも比較対象に入れてください。 詳しい計算は「栄養成分とコスパを数字で見る」を参照。
溶かし方のコツ
飲み方・溶かし方と「まずい」と言われる理由
ダマにならない溶かし方
- ✓先に液体をシェイカーへ入れてから粉を加える(粉が先だと底に固まりやすい)
- ✓冷たすぎる水より、常温〜ぬるめの水の方が溶けやすい
- ✓1食60gと量が多いので、液体は300〜400mlとたっぷり使う
- ✓ブレンダーボール付きのシェイカーを使う。無い場合は少量の液体で先に練ってから足す
- ✓熱湯で一気に溶くとダマになりやすい。温かくして飲みたいときは溶かしてから温める
- ✓ホエイプロテインに半分だけ混ぜて飲む方法もある(乳糖の量を抑えられる。詳しくは「お腹がゆるくなる理由と量の調整法」)
「まずい」と言われるのはなぜ?
味の評価が分かれるのには、成分上の理由があります。脱脂粉乳は脂質が100gあたり1.0gしかないため、 牛乳のようなコクやまろやかさが出ません。「薄い」「水っぽい」と感じるのはこのためです。 一方で乳糖由来のやさしい甘さがあり、人工甘味料の後味が苦手な方には飲みやすいという評価もあります。 プレーンは無糖なので、初めてならフレーバー付きから試すのが無難です。
飲む以外の使い方
もともと料理・製菓に使われてきた素材なので、粉のまま使えるのも脱脂粉乳ならではの利点です。
- ✓オートミールやシリアルにかけて牛乳の代わりにする
- ✓コーヒーや紅茶に溶かしてラテ風にする(ミルクの脂質を足さずに済む)
- ✓ヨーグルトやスムージーに混ぜる
- ✓パンケーキやスープに加えてたんぱく質を足す
評判・口コミを確認したいときは
味や溶けやすさの感じ方には個人差があります。プロテインログでは実際の商品ごとに 成分・価格・口コミをまとめているので、購入前に商品ページで他の人の評価も合わせて確認してみてください。
脱脂粉乳プロテインの注目度推移(イメージ)
なぜ今、脱脂粉乳プロテインが注目されているのか?
2026年に脱脂粉乳プロテインが急に注目を集めた背景には、2つの問題が同時に起きていることがあります。
ホエイプロテインの原料価格が世界的に高騰
世界的な需要増加と輸送コストの上昇により、ホエイプロテインの原料価格が高止まりしています。 消費者にとっては「プロテインが高くなった」と感じる場面が増えています。
日本の脱脂粉乳の余剰在庫が深刻化
一方で、国内では脱脂粉乳の余剰在庫が問題になっています。 農林水産省のデータによると国内の脱脂粉乳在庫は約8.3万トン(2025年度推計)にのぼり、 酪農家の経営を圧迫する社会問題となっています。
2つの問題を同時に解決する商品として注目
消費者にとっては「安くたんぱく質を摂れる」、酪農家・メーカーにとっては「余剰在庫を活用できる」という 双方にメリットのある構図が生まれています。 単なる価格競争ではなく、酪農支援にもつながる社会的な意義のある選択肢として各メーカーが展開しています。
よくある質問
Q. スキムミルクプロテインとは何ですか?
A. 牛乳から脂肪分と水分を取り除いて粉末にした脱脂粉乳(スキムミルク)を主原料にしたプロテインです。たんぱく質の構成はカゼイン約80%とホエイ約20%の天然ブレンドで、たんぱく質含有率は製品にもよりますが約34%が目安です。
Q. スキムミルクプロテインとホエイプロテインの違いは何ですか?
A. 最も大きな違いはたんぱく質含有率で、スキムミルクプロテインが約34%なのに対しホエイプロテインは約70〜80%です。またスキムミルクプロテインはカゼイン主体のためゆっくり吸収され、乳糖由来の炭水化物とカルシウムを多く含みます。1kgあたりの価格はスキムミルクプロテインが約1,500円〜、ホエイプロテインが約3,000〜4,000円です。
Q. スキムミルクプロテインのデメリットは何ですか?
A. 1つ目はたんぱく質含有率が約34%とホエイの半分以下で、同じたんぱく質量を摂るには約2倍の粉が必要になること。2つ目は乳糖を多く含むため、乳糖不耐症の方はお腹がゆるくなりやすいこと。3つ目は糖質(炭水化物)が多く、減量中は総カロリーに注意が必要なことです。
Q. スキムミルクプロテインの吸収時間はどれくらいですか?
A. たんぱく質の約80%がカゼインのため、ホエイプロテインよりゆっくり吸収されます。ホエイが1〜2時間程度でピークを迎えるのに対し、カゼイン主体のものは数時間かけて緩やかに供給されるのが一般的です。トレーニング直後よりも、就寝前や食間の補給に向いた性質といえます。
Q. スキムミルクをそのまま飲むのとは違うのですか?
A. 原料はどちらも脱脂粉乳ですが、プロテインとして販売されている製品は溶けやすさやフレーバーが調整されており、栄養成分表示も1食あたりで確認できます。一方で、成分そのものは製菓用のスキムミルクと大きく変わらないため、コストだけを比べると製菓用のほうが安く済む場合もあります。
Q. スキムミルクプロテインは筋トレに使えますか?
A. 使えますが、トレーニング直後の速い補給を狙う用途にはホエイプロテインのほうが適しています。スキムミルクプロテインは吸収が緩やかなので、就寝前や間食としての補給、あるいは体重を増やしたい時期のカロリー確保に向いています。
Q. 市販のスキムミルクをプロテインの代わりに使えますか?
A. 原料は同じ脱脂粉乳なので代用は可能です。ただし食品用は175〜300gの小袋が中心で、1食に約60g使うと3〜5食でなくなります。毎日続けるなら大容量のスキムミルクプロテイン製品の方が続けやすくなります。
Q. 1食でどれくらいのたんぱく質が摂れますか?
A. 1食60gでたんぱく質は約21gです。含有率が約35%とホエイ(約75%)の半分以下のため、同じたんぱく質量を摂るにはホエイの約2倍の粉が必要になります。
Q. カロリーはどれくらいですか?
A. 脱脂粉乳は100gで354kcal、1食60gでは約212kcalです。ホエイプロテイン1食(約110〜125kcal)と比べるとおよそ2倍になります。
Q. ホエイより安く済みますか?
A. 粉1kgあたりの価格はホエイの半額以下ですが、たんぱく質含有率が約半分のため、たんぱく質1gあたりで比べると大容量の格安ホエイWPCの方が安くなる場合があります。脂質がほぼゼロでカルシウムも摂れる点に価値を感じるかどうかが選ぶ基準になります。
Q. 溶けにくいときはどうすればいいですか?
A. 液体を先に入れてから粉を加える、常温〜ぬるめの水を使う、液体を300〜400mlとたっぷり使う、ブレンダーボール付きシェイカーを使う、の4点で改善しやすくなります。熱湯で一気に溶くとダマになりやすいので注意してください。
Q. 1日2杯飲んでも大丈夫ですか?
A. 2杯飲むと乳糖が約64gになり、牛乳を約1.3L(コップ6杯)一度に飲むのと同じ量になります。1杯(約32g)でもホエイプロテインの13〜21杯分にあたるため、まずは1日1杯までにして様子を見ることをおすすめします。感じ方には個人差があります。
Q. 飲んだあとお腹がゆるくなったり、おならが増えたときはどうすればいいですか?
A. まず1回に飲む量を減らしてください。1食分(60g)ではなく20g前後から試す、1日1杯までにする、いつものホエイプロテインに半杯だけ混ぜて薄める、朝と夜に分けて飲む、といった方法で1回に入る乳糖の量を抑えられます。それでも変わらない場合は、乳糖をほとんど含まないWPI・ソイ・ピープロテインへの切り替えが選択肢になります。不調が続く場合は自己判断せず医師にご相談ください。
Q. ホエイプロテインでは平気だったのに、なぜ脱脂粉乳だとお腹に来るのですか?
A. 1杯に含まれる乳糖の量が大きく違うためです。ホエイWPCは1杯あたり約1.5〜2.4gですが、脱脂粉乳プロテインは1杯で約32gあります。ホエイを5杯飲んでも乳糖は約7.5〜12gにしかならないため、ホエイで平気だったことは乳糖に強いことの証明にはなりません。
まとめ
脱脂粉乳プロテインは、ホエイの「代わり」というより「選択肢の一つ」として捉えるのがポイントです。
- →コスパ重視・健康目的なら:脱脂粉乳プロテインは有力な選択肢
- →運動直後の素早い補給には:ホエイプロテインが適している
- →就寝前・間食代わりに:カゼイン主体の脱脂粉乳が向いている
- →お腹が心配なら:まず1日1杯・少量から。ホエイに半分混ぜる飲み方も有効
- →乳糖が気になる場合は:WPIやソイプロテインを選ぶ
2026年に入って続々と新製品が登場しており、今後さらに選択肢が広がる見込みです。 プロテインログでは成分・価格を比較しながら、あなたに合う製品を見つけることができます。
どのブランドから選べばいいか迷う場合は、プロテインメーカー一覧(国内15社・海外5社)で各社の価格帯と特徴をまとめて確認できます。

